ペット防災セミナー

皆様こんにちは!代表の石部です。

今回は大阪本町で開催されたペット防災セミナーの内容を紹介します。主催者のペット防災サポート協会様は、防災教育や避難所運営ゲーム(HUG)のペット版を用いた出張授業などで各地を回られており、参加者同士で主体的に考えながら学びを深められる非常に意義のあるセミナーとなりました。

 

ペット防災とは?

災害発生時に必ずと言っていいほど目にする避難所は、体育館や公共施設に集団で避難されている方々のイメージが強いかと思います。しかし現代の生活ではプライバシーのなさ、ペットの受け入れの不安、新型コロナはじめ感染症リスクなどから避難を拒否して、結果的に飼い主・ペット両方亡くなられたり、ペットを置いて避難してはぐれてしまったり、車中避難で災害関連死されてしまうなど、ペットに関連する悲劇が目立つのも事実です。そうした悲劇を予防する日頃の備えや災害発生時の避難などの取り組みをペット防災と言います。

詳細は下記のリンクから環境省発行のパンフレット等をご参考頂ければと思います。

環境省 ペットの災害対策

https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/1_law/disaster.html

 

いざという時に避難しやすいよう、日頃からケージやクレートで寝ることや移動に慣れておきましょう。

環境省の資料では、「ペット動物の災害対策」「人とペットの災害対策ガイドライン」が特に分かりやすくてオススメです!

 

ペットとの避難に必要なもの

セミナーでは数々の防災グッズを手にとれて、それぞれの説明や工夫を詳しくお伺いしました。

ペットの命と健康を守るために必要はものは、最低5日分は備蓄し、避難に使えるようにしましょう。最近では写真の通り、犬用の防災用品や避難生活向けの食べ物なども充実してきました。

犬は裸足での散歩のイメージが強いですが、真夏の地面、瓦礫や破片の散乱した道は非常に過酷です。そういう避難経路対策に、専用の靴下があれば心強いです!

たとえ避難所がペットを受け入れたとしても、匂い対策は欠かせません。これらのマナー用品と、スコップなど排泄物処理用品も必要です。

ペットとはぐれないようにリードや首輪は予備も用意しましょう。もしはぐれた場合にも、迷子札、鑑札、マイクロチップいずれかを付けて、飼い主・ペット両方の連絡先や特徴などの情報は人の目に触れやすいようにする必要があります。

かつては災害発生時はペットを置いて避難するように指導されていましたが、一度ペットとはぐれてしまうと探す手間がかかったり、繁殖したり、野生化したりして、公衆衛生面でも人の避難面や健康面でも悪影響が大きいことから、現在は人とペットの同行避難が推奨されています。

 

日頃のペット防災に必要なこと

飼い主目線で必要な防災は、ご自宅の耐震補強として窓ガラスの飛散防止、家具の転倒防止などの対策を通じて、できるだけ在宅避難に対応できるような備えが必要です。それでもなんらかの事情で避難所を使われる可能性もございますので、ペットのしつけ、特に鳴き声、排泄、清潔さの維持、リードは日頃から責任を持ってトレーニングしなければいけません。

特に愛犬家の方々にとっては、ケージやクレートに入って車で移動する、知らない土地に寝泊まりする、アウトドアに慣れることも立派な防災トレーニングです。

ペットを飼っていない、動物が苦手という方にとっても、ペット防災に取り組む意義は大きいです。コロナ対策の一環で小規模な避難所への分散避難の動きも見られますが、「ペットがいるから適切な避難ができない」ことにならないよう、人もペットも救える避難にご協力いただけますと幸いです。

 

ペットHUG(避難所運営ゲーム)

防災教育の一環として近年注目を集めつつあるのは、静岡県発祥の避難所運営ゲームです。頭文字をとってHUGと呼ばれることが多いですが、実際に避難所で起こる様々な出来事にどう対処するか、ゲーム形式で学ぶことができます。

詳細はこちらで公開できませんが、いざ避難が始まって様々な事情を抱えた方が避難に来られたり、物資の不足に対処したり、情報発信を進めたりと、頭ではわかっていてもいざという時に対処しにくいことを想定し、とっさの判断力や現場を仕切る力を鍛える画期的な取り組みと言えます。

 

避難生活こそ”生きる希望”が必要!

辛く、長い避難生活では、ペットの存在が生きる希望になることも少なくありません。飼い主だけでなく、子どものメンタルにいい影響が出る、犬のお世話が生活の癒しになる、外に出て運動するきっかけになるなど、ちょっとしたアニマルセラピーになった報告もお聞きしました。ペットのお世話には大変なことも多い反面、いざという時の心の支えにもなります。だからこそ、日頃からの努力の積み重ねで、災害の影響を少しでも減らしていくことが重要ですね!