皆様こんにちは!代表の石部です。
今回はペット防災の選択肢の一つである、車での避難についてご説明します。
これまで弊社ブログではペット同行避難や災害対策について「ペット防災」カテゴリー内で紹介しました。
しかしそうした情報を得ながら、被災して飼い主さんもペットも助かったとしても、避難所の利用に不安を覚えるかもしれません。
・自宅に残りたいが、いつまた余震が来るかわからない。
・プライバシーのない体育館は余計に避難生活が辛そう。
・ペットが苦手、アレルギーがあるという人に嫌われそう。
・そもそも避難場所がわからない。
こうした悩みを抱えた場合、マイカーでの避難も選択肢になりえます。
実際に熊本県の「平成28年 熊本地震に関する県民アンケート調査 結果報告書」によりますと、避難した方のうち約6割が車中避難を選択されました(指定避難所の約2.5倍)。
確かに安全やプライバシーの観点ではメリットはありますが、一方で命の危険も伴います。決して推奨される避難方法ではありませんが、やむを得ない場合の車中泊をされる場合のリスクと対策についてお話しします。
車中泊で起こりうるトラブル
駐車場所
傾斜地は避けて、明かりや人通り、トイレが近い場所が望ましいです。
停車時は必ずドアを完全ロックしてエンジンを止めます。自治体で車中泊用駐車場が用意されているか確認し、もしあればそこに停めると避難しやすくなります。
健康被害
車中泊では※エコノミークラス症候群、熱中症、低体温症、一酸化炭素中毒などのリスクは無視できません。
定期的に水分をとって運動する、足のむくみに注意する、虫除けや窓用カーテンを使いつつ換気する、マフラー周りに土砂や雪などが積もらないようにするといった工夫が欠かせません。
シートの段差は特に気をつけて、足が伸ばせるようにタオルやマットなどでフラットな空間を作りましょう。
エコノミークラス症候群とは
国際線シート内などで長時間同じ姿勢が続いた場合、足の血流が悪くなったり疲れが溜まったりした経験がある人もいるかと思います。
この場合、何も対策しないままであれば血管に血の塊(血栓)ができて肺に詰まり、最悪の場合は亡くなってしまいます。
被災地では車中泊からエコノミークラス症候群を発症して亡くなられた方もおられます。トイレ事情が気になったとしても、こまめな水分補給、軽い運動、ゆったりした服装、足を上げ下ろししたり揉んだりつま先を動かしたりして、同じ姿勢になりすぎないように注意してください。
車中避難の工夫
定員に注意
普段5人乗りの車に乗っているからといって、車中泊で5人寝られるわけではありません。
5人乗りで大人2名、7〜8名乗りミニバンで大人2名と子供1名が避難の目安です。
段差をできるだけ埋めてエコノミークラス症候群を防げるよう、前席や隙間に生活用品を置く、寝袋があったとしてもマットを敷いて可能な限り車内をフラットにする、寝るときは着圧ソックスに履き替えるなどの工夫が必要です。
車中泊の車に載せておくと良いものの例
・車載用の水と非常食
・携帯トイレ
・着圧ソックス
・専用カーテン・シェード
・就寝用品(耳栓、アイマスク、マット、クッション、タオルなど)
・着替え
・ライト
・充電器
マット、寝袋、テント、ポータブル電源など、車中泊に使えるアウトドア用品も販売されています。
そうした品を使ってキャンプなどで練習するのも良い方法です。
防災セットについて
車中泊用は車の販売店で購入可能です。
それぞれ特徴がありますので、迷った時には車の専門家に相談し、ペットの避難用品などを組み合わせてみましょう。