皆様こんにちは!猫ブームと言われて今や犬より猫の飼育頭数が多くなった今、飼い猫もまた長寿命化が進んでいます。とは言っても猫が具体的にどんな成長を遂げて、どのぐらい長生きするかはまだまだ知られていないところもございますので、詳しく説明いたします。
猫の平均寿命
犬だけでなく、猫もまた飼育環境によって寿命は大きく左右されます。外で暮らす野良猫の場合、病気や事故で亡くなる子が多いと言われますが、具体的な統計は出しにくいです。大半の猫は数年で亡くなってしまうとされています。
一方で飼い猫は室内飼育の方が長生きします。一般社団法人ペットフード協会「平成29年 全国犬猫飼育実態調査」によりますと、飼い猫の平均寿命は15.33歳、外に出る猫は13.83歳、外に出ない猫は16.25歳で、7歳以上のペットの割合は44.7%です。平成2年の調査では猫の平均寿命は5.1歳(東京農工大ほか調査)だったのが、現在では20年以上生きるご長寿猫も増えました。ちなみにギネス世界記録は38歳です!
ここまで長寿化が進んだのは、室内飼育率増加によって感染症や交通事故に遭う猫が減ったり、動物医療が進化したり、キャットフードや生活環境にお金をかける飼い主さんが増えたことなど、様々な背景があります。
猫の成長
新生子期(生まれたばかりの頃)
生まれて間もない猫は、体重100グラム程度で、目が見えず耳も聞こえません。母猫による授乳や排泄などの手助けが必須です。10日ほどで目と外耳道が開き、20日ほどで歩きます。その後は運動機能や感覚が発達し、30日前後で兄弟姉妹猫と遊ぶようになります。
猫は犬より殺処分数が多くなってしまっていますが、そうなってしまう猫の半数以上が子猫です。特にこの時期は手間がかかるため、殺処分の対象となっていました。最近では子猫を一時的に預けて授乳などのお世話をするミルクボランティアの導入もあり、生まれて間もない猫が救われるようになりました。猫の殺処分減少の鍵を握るのは、この新生子期のケアといえます。
幼年期
生後30〜90日が猫の幼年期とされ、自力で排泄できるようになります。体重が500グラム前後で、乳歯が生え揃い、離乳の時期となって活発に歩き回ります。狩りの真似事を初めて活発に歩いたり遊んだりしながら、餌を食べるすべを身につけます。離乳を終えると、徐々に固形食に移ります。
ちなみに子猫の睡眠時間は20時間程度です。寝ている間に成長しますので、安眠を妨げないようにしましょう。
少年期
生後90日〜6ヶ月ごろが少年期で、兄弟姉妹や人との関わりに慣れる時期です。このころの経験が社会性や性格が形成され、何にでも興味を示します。個体差はありますが、概ね4ヶ月ごろまでが急成長の時期です。歯は100日ごろから180日ごろにかけて永久歯に生え変わります。生後90日ごろからは爪とぎもするようになります。子猫の成長が緩やかになった後は、月齢に応じたキャットフードを与えましょう。
もし避妊・去勢手術を行う場合は、生後6ヶ月以内が推奨されています。生後5ヶ月齢に達する前に手術の相談をされるといいでしょう。
青年期
生後6ヶ月〜1年が青年期です。このころからは繁殖行動ができるようになります。8ヶ月頃の体重は3〜3.5キロ程度となります。体型はほぼ完成しますが、もう少し成長します。避妊または去勢手術を行なった後の猫の場合、食事は成猫用に切り替えます。もし交尾が行なわれたら、メスは高い確率で妊娠し、多ければ1度に5匹出産します。不幸な猫を減らすためにも、避妊・去勢手術は必須といえます。
成年期
個体差はありますが、ほとんどの猫は生後およそ1年で成猫になります。個性がはっきり出て、自己主張が強くなります。一般的には1歳で体重の増加が見られなくなりますが、これも個体差がありますので、もし体重が増え続けた場合にダイエットを行うかどうかは慎重に判断しましょう。
高齢期
概ね生後10年以上が高齢猫とされています。動きが遅くなったり、寝ている時間が長くなったり、視力が低下したり、毛艶がなくなったり、排泄がうまくいかないなどの変化が現れます。平均寿命は15歳程度とはいえ、20歳以上長生きする猫も増えています。
老化による変化には個体差がありますが、一般的に成年期より落ち着いた生活を好みます。生きやすい場所にトイレや水飲み場を移したり、ゆっくり寝られる環境を整えたり、段差を減らすなど、ちょっとしたバリアフリーの工夫が求められます。
この時期になると飼い主さんも高齢化して、老猫の”老老介護”となるケースも少なくありません。ご自身のケアも大事にしつつ、愛猫の将来を確かなものにしたい方は、老猫ホームやペットの訪問介護などのサービスもあるということを頭に入れておくだけで、もしもの時の対応がしやすくなるかもしれません。