京都市「まちねこ活動支援事業」の成果

皆様こんにちは!代表の石部です。
今回は京都市さんで平成22年度から地域における野良猫対策の一環として進められてきた「まちねこ活動支援事業」について紹介いたします。

活動の背景

京都市内に限らず、野良猫には次のような問題が発生しています。

・糞尿で公園などの衛生環境が悪化した。
・猫の鳴き声がうるさくて困っている。
・子猫がどんどん増えて手に負えない。
・ゴミをあさって困っている。
・猫同士の喧嘩や事故などで猫が亡くなっている。

その一方で、猫を助けたいと思って行動される方も大勢いらっしゃいます。

・食べ物を与えたいが猫が増えて追いつかない。
・猫を飼いたくても飼えないけど、何かできることをしたい。
・ルールを定めた上で野良猫のお世話をしたい。
・避妊去勢手術を受けさせたいが、費用を工面できない。

それぞれの困りごとを解決できるよう、地域住民の協力を得ながらルールを作り、地域に暮らす野良猫をお世話するのがまちねこ活動支援事業です。具体的には京都動物愛護センターでの避妊去勢手術の無償実施、猫保護器の貸し出し、活動への助言などを通じて、一代限りの命を全うさせながら、野良猫を減らします。

活動効果

野良猫の頭数が減ることで、鳴き声や糞尿の被害減少、ゴミの散乱減少などの公衆衛生環境改善が見込まれます。喧嘩や交通事故の被害が減ったり、保護活動の負担が軽減されたり、殺処分の予防など、その効果は長期的な活動を続ければ続けるほど大きくなります。

京都市内では、活動4年目から効果が顕在化し、5年間で52%の頭数減少が見られました。手術頭数は平成22年度は94頭だったのが令和元年度には1612頭に増加、路上で事故などで亡くなる猫は平成26年度は5169頭いたのが、令和元年度には3715頭に減少しました。京都動物愛護センターに収容された猫の頭数は、開設初年度の平成27年度には1208頭いたのが、令和元年度には855頭に減少しました。動物愛護センターに収容される猫のほとんどが産まれたばかりで自活できない猫ですが、こうした活動によって着実に収容頭数も路上での死亡数も減少しています。

活動地域が横ばいの理由は、昔から活動していた地域で期待された成果が出たことによって、活動自体を終了する地域が続出した場合があるからです。活動2年目までは地域での猫の頭数把握を進めますが、3年目からは減少に転じ始め、6年目以降になると全ての地域で頭数が減少しました。

活動を始めるには

1、まずは地域内で2名以上(猫10頭以上を管理する場合は3名以上)でグループを結成し、町内会などで合意形成します。

2、グループ内で猫の管理方法を決めます。トイレや頭数の把握など、決めるべき内容は医療衛生センターへのご相談も可能です。

3、医療衛生センターへの申請書、町内会への承諾書等を提出します。

4、医療衛生センターが支援の登録をします。有効期間は登録日から3年間です。

5、地域での活動周知を経て猫を捕獲します。

6、保護した猫を京都動物愛護センターに持ち込んで、無償での避妊去勢手術を実施します。

7、手術した猫を元の場所に戻します。

関連資料

活動紹介パンフレットはこちらからダウンロードできます。
https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000189/189400/tirasi.pdf

活動支援要項はこちらからダウンロードできます。
https://www.city.kyoto.lg.jp/hokenfukushi/cmsfiles/contents/0000189/189400/matinekoyoukou.pdf