人とペットの災害対策(4) 災害時のペット対応

皆様こんにちは!災害時のペット一時預かりについて、公的な支援の事例も見られますので、今回は熊本地震や東日本大震災被災地の取り組みの一部を説明いたします。

熊本地震

一時預かりのお知らせ

熊本市では、避難中に入院等が必要な方の犬や猫の一時預かりを、緊急対応として協力機関にて実施しました。市役所や避難所に掲示した「一時預かりのお知らせ」のポスターによりますと、「医療従業者の指導等で入院等が急遽必要になり、同行避難した犬・猫の世話ができなくなった場合、その犬・猫を一定期間無償で預けられるようになりました。」という記述があります。熊本市動物愛護センターを通じて受け入れ対応を行い、協力期間がお世話をするという形式です。

避難所巡回調査

熊本県管轄の避難所巡回の中で、飼育している動物の種と頭数、避難理由・時期、物資支援や獣医療の要不要、一時預かりや仮設住宅におけるペット同居の希望等をヒアリングしていました。避難所巡回調査では、獣医師会や動物愛護センター職員、動物愛護推進員による分担で調査を進め、情報共有していました。

ペット健康相談コーナー

避難所や市役所など複数箇所にペットの健康相談コーナーを設け、各地から派遣された獣医師、動物看護師などによるペットの健康管理や治療などの相談、支援情報の提供が行われました。

全体で最も多かった相談が消化器(食欲不振、嘔吐、下痢など)で、以下住居相談、皮膚、行動(震える、余震を怖がる、飼い主から離れない、家に入りたがらないなど)の順でした。

ペット専用飼育スペース

益城町総合体育館において、国と益城町、指定管理者、NPOが連携して、ペット飼育専用施設が設けられました。

施設は冷房付きコンテナハウス3棟、物品管理用コンテナハウス1棟、ケージ50基、屋根付きドッグランで構成され、一定期間が過ぎると、他の避難所や地域の人のペット一時預かりも実施されました。

ペットとの同居

熊本県の要請の結果、すべての関係市町村の応急仮設住宅がペットを飼うことを認められ、原則として室内で飼われることになりました。室内に小さな専用スペースを設ける、猫の逸出防止用のネットを張るなどして同居生活をしていました。

東日本大震災

動物救護施設

仙台市では、仙台市動物管理センターや動物病院などで負傷動物、逸走動物の保護や収容をしました。敷地内に収容できない場合は、宮城県動物愛護センターのドッグラン場所を使用したり、いわき市の民有地を借り上げて保護センターを設置したり、他地域から避難した被災者のペットを受け入れていました。

避難所での対応

ペット専用スペースを設け、ペット用避難施設の設置、犬の係留、ケージ内飼育、掃除などを行なった上で人とペットのスペースを区分した事例が見られました。これによって、ペットと一緒に生活したい人と飼っていない人双方に配慮できました。

一時預かりボランティア

青森県では、県内の愛護団体に依頼して一時預かりボランティア派遣が行われました。行政があらかじめ各団体の受け入れ体制を把握し、普段から協働していることから、依頼期間などを聞き取ったうえでスムーズに連携ができたようです。

仮設住宅での対応

福島県では自治体によって対応が変わりました。郡山市では東日本大震災の仮設住宅の近隣にペット専用飼育施設を設けて、人の居住スペースとの区分が行われました。浪江町ではペットを同居して良い仮設住宅の区画を用意し、ペットがいればそのエリア内に案内されました。新地町では、仮設住宅の設計を被災者がペットと同居できるようにして、外にもペットブースを設けました。