動物愛護法改正~マイクロチップ装着義務化について(1)~

こんにちは!インターン生の宮崎です!

ついに動物愛護法が改正されました。

今回はその中でも注目すべき点をいくつか取り上げさせていただきます。

一般の飼い主さんにも関係する事柄なので、ぜひご確認ください。

 

第1回は「マイクロチップ装着義務化について」です。

 

〚マイクロチップ装着を義務付ける対象〛

 

改正された動物愛護法の39条の2項では以下のように定められました。

①犬猫の販売業者は犬や猫を収得した日から30日以内にその犬猫にマイクロチップを装着しなければならない。

⓶また、犬猫の飼い主はその犬猫にマイクロチップを装着するように努めなければいけない。

 

マイクロチップの装着を義務付ける対象は犬猫販売業者、すなわち販売目的で犬猫を繁殖する「ブリーダー」などを想定しています。

一般の飼い主さんから譲り受けたり、既に飼育していたりする場合は努力義務となります。

努力義務とは、法律上、義務ではないため違反しても罰則の対象になりませんが、当然そうすべきことと規定されている物事を指します。

 

この法律の施行は公布から3年以内です。原文は以下の内容となっています。

 

第三十九条の二

1 犬猫等販売業者は、犬又は猫を取得したときは、環境省令で定めるところにより、当該犬又は猫を取得した日(生後九十日以内の犬又は猫を取得した場合にあっては、生後九十日を経過した日)から三十日を経過する日(その日までに当該犬又は猫の譲渡しをする場合にあっては、その譲渡しの日)までに、当該犬又は猫にマイクロチップ(犬又は猫の所有者に関する情報及び犬又は猫の個体の識別のための情報の適正な管理及び伝達に必要な機器であって識別番号(個々の機器を識別するために割り当てられる番号をいう。以下同じ。)が電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他の人の知覚によって認識することができない方法をいう。)により記録されたもののうち、環境省令で定める基準に適合するものをいう。以下同じ。)を装着しなければならない。

ただし、当該犬又は猫に既にマイクロチップが装着されているとき並びにマイクロチップを装着することにより当該犬又は猫の健康及び安全の保持上支障が生じるおそれがあるときその他の環境省令で定めるやむを得ない事由に該当するときは、この限りでない。

2 犬猫等販売業者以外の犬又は猫の所有者は、その所有する犬又は猫にマイクロチップを装着するよう努めなければならない

 

 

〚マイクロチップ装着のメリット〛

 

マイクロチップを装着することにより、迷子や地震などの災害、盗難や事故などによって飼い主と離ればなれになっても、マイクロチップの番号を読取機で読み取り、データベースに登録されている飼い主の情報と照合することで、飼い主さんのもとに戻ってくる可能性が高くなります。

(※読取機は、全国の動物保護センターや保健所、動物病院などに配備されています。)

特に、地震等の大災害の際には、マイクロチップが動物と飼い主さんを結び付ける確実な絆となるでしょう。

 

 

利用方法

 

マイクロチップは動物病院で獣医師に装着してもらいます。

それぞれのチップには、国コード、動物種コード、メーカーコード、個体番号等が組み合わされた世界で唯一の15桁の番号が記録されていて、この番号を専用のリーダーで読み取ることができます。

マイクロチップを装着した動物とその飼育者のデータはデータベースで管理されており、マイクロチップが装着された動物が発見された時には、番号を読み取ることで,その動物の名前や生年月日,飼い主は誰か,連絡先は・・・,といった情報を得ることができます。

動物の安全で確実な身元証明の方法として、ヨーロッパやアメリカをはじめ、世界中で広く使用されています。

わが国でも、近年犬やねこなどのペットを中心として利用者が急増しています。

 

 

〚海外の状況〛

 

オランダでは、2012年以降、アイルランドでは2015年以降、英国では2016年以降、犬へのマイクロチップ埋め込みと登録が義務付けられています。

それにより飼い主さんやブリーダーの特定が容易になり、虐待や異常なブリーディングの取引等の抑制に繋がっているといわれています。

マイクロチップの詳細は、後編にQ&A形式でまとめましたので、よろしければそちらもご覧ください!